会社名
株式会社豊和
所在地
東京都台東区
設立
1999年(平成11年)9月
事業内容
- 複合機 レンタル・販売(新品・中古)
- 複合機 修理・メンテナンス
- プリンター 修理・メンテナンス
- コピーサービス、製本、ラミネート加工サービス
- 出力サービス/コピーサービス
- ネットワーク構築
- ECショップ運営
- オフィスサプライ/文具 販売
- OA機器・事務機器、業務用機器の買取り・回収リサイクル
従業員
23人
目指すは「オフィスのトータルサポート」
ミレニアムの年(平成12年=2000年)間近に、神奈川県横浜市で創業した株式会社豊和(以下豊和)。
オフィス機器、サプライの販売からはじまり、その後「オフィスのトータルサポート」を合言葉に、メンテナンス・修理、回収やリサイクル事業など、時代に合わせたお客様へのニーズに応えた事業を展開。東京、埼玉、千葉へも進出し、国道16号線内を中心に着実に活動の幅を拡げてきました。平成30年には創業20年を迎え、新元号の令和を迎えようとしています(取材時)。
創業者である秋山治美社長は、秋山悟顧問と共に、一代で現在の豊和を築き上げてきましたが、近年、これまでにないIT化・ネットワーク化の発展と、飛躍的に進歩する技術革新により、めまぐるしいスピードで変化していく状況のなか、「今のままで大丈夫か?」と漠然とした不安を抱えていました。そのときに、他の経営者仲間から聞いた「100年ビジョン」の存在、そして次世代経営塾。迷うことなく受講を決断し、そこから得られたことは未来の豊和にとっても非常に大きかったと振り返ります。それは一体何だったのでしょうか?次期後継者の長谷川幹雄副社長を交え、お話を伺いました。
気になってしょうがなかった「100年ビジョン」の存在
フォーバル コンサルタント 山本 裕介(以下山本):本日はありがとうございます。まずは事業についてお話しいただけますか?
豊和 秋山 悟顧問(以下秋山顧問):豊和は創業して20年目に入りました。中古を含む複合機の販売やメンテナンスを行っております。地域的には主に首都圏。東京、千葉、神奈川、埼玉、国道16号線内が主要営業エリアになっております。
山本:そのような事業をされていく中で、フォーバル主催の次世代経営塾に入られたわけですが、どのような経緯だったのでしょうか?
秋山顧問:ある経営者仲間が大阪におりまして、その方とお会いしたときに、「100年ビジョン」という言葉が出ました。「100年ビジョンとは何?」と聞いたときに、次世代経営塾のことを教えてもらったのが知ったきっかけですね。
その後、説明会があったので参加をさせていただき、いろいろと話を聞いていくなかで、これは未来の豊和に必要だと感じ、入塾しようと決めたのです。
株式会社豊和 顧問
秋山 悟 様
山本:100年ビジョンについて、直感的に「これだ!」というものがあったということですね。
秋山顧問:はい、ものすごく気になりました。しかも不思議なことにその期間が長くて。「100年ビジョンって何?」という疑問が頭のなかに常にありました。
山本:その疑問を解消させるために入塾を決められたのですか?
秋山顧問:そうですね。これからの豊和に必要なことだと思いました。私と社長の秋山治美、そして副社長の長谷川の3名で申込みしました。
今のままではいけない!次世代経営塾から得られた学び
山本:入塾されてから卒業に至るまで、印象に残っていることはございますか?
秋山顧問:私たちの業界はカウンタービジネスですので、一度販売した場合、その後も一定の収益を得ることができます。ただ、時代の変化で頭打ちになってきていることへの危機感を感じていたときに、100年ビジョンのことを聞きました。いろいろと悩んでいた時に次世代塾に出会えて、今まで知らなかったことに気付けたことが印象に残っています。
山本:カウンタービジネスがメインの事業が頭打ちだった状況を、打破していきたいという想いが芽生えてきたわけですか?
秋山顧問:そうですね。豊和はどちらかというと受け身の会社です。攻めていかなくてはいう発想は持っていても、なかなか行動に移しきれませんでしたし。そのような状況のなかで、経営の考え方といいますか、在り方の教えは共感できました。
山本:現状を打破するためのやり方を模索している状況のなかで、在り方への興味・関心が高まったということですね。
豊和 秋山 治美社長(以下秋山社長):仰る通りですね。最初は正直「なぜ塾に入らなくちゃいけないのか?」と思っていました。と言いますのも、顧問の秋山から次世代経営塾の話しを聞いたときには相談ではなく、決定事項でしたので(笑)。しかし、学びを受けているうちに、世の中の流れがとてもよく分かりましたし、私も「今のままではいけない」と感じましたよ。
先ほど顧問の秋山も話していましたが、豊和が創業してからの20年はカウンタービジネスに頼り過ぎた感がありました。これから先、10年、20年、50年と時代の変化によって、カウンタービジネスが存在しなくなる可能性がどんどんと高まるなかで、今のままで良いのかという不安は常にありました。フォーバルの次世代経営塾を通じて、もっとしっかり計画立ててクリアしていかなくてはならないと思いましたし、非常に勉強になりましたね。
株式会社豊和 代表取締役
秋山 治美 様
豊和 長谷川 幹雄副社長(以下長谷川副社長):カウンタービジネスに頼り過ぎたために、自分たちで何か新たな施策をしようとしても、一方で毎月の点検に行くことで定期的な利益を得ることができたわけですね。どうしてもそれが勝ってしまい、新しいことに踏み切れないという状況だったと思います。
社長の秋山、顧問の秋山が言う通り、今のままではいけないのだという気付きを与えてくれ、次に進むべき方向性を示してくれたことは大きいことでした。
1つ驚いたことが、私のイメージで、フォーバルは私が20代の頃にラジオでコマーシャルをバンバンやっていて、また豊和と同じ事業(複合機の販売)をやっている会社だと思っていました。
しかし、次世代経営塾に行ったときに、そのイメージは大きく変わりましたね。豊和の業界事情はもちろん詳しいのですが、それ以上に100年ビジョンなど、業界など関係のない、経営の根本的なところを教えていただけました。近しい業界で、しかもフォーバル自らが実践してきたことを踏まえた話ですので、言葉の重みも違います。
株式会社豊和 取締役副社長
長谷川 幹雄 様
山本:ありがとうございます。先を考えたときに、現状への不安があり、どうにかしなくてはならないというところは、皆さま共通して持たれていたと感じました。秋山顧問の積極的な行動も良かったのではないでしょうか。
秋山顧問:そうですね。私だけが「理念はとても大切、100年ビジョンを考えるべきだ!」などを話しても、理解を得ることは難しかったでしょう。であれば、まずは経営陣が直で学ぶべきだと。
次世代経営塾のOB会で出会ったある先輩OBも同じようなことを話されていましたし、今となっては本当に良かったと思っています。
新しい挑戦、不変の理念を築きあげ社員へ浸透させる
山本:次世代経営塾で学ばれたことを、どのように実践されたかについて教えていただけますでしょうか?
秋山社長:次世代経営塾のときに策定した理念とビジョン、これらを全社員に伝えるところから始めました。しかし反応はイマイチ、社員もピンとこなかった感じでした。
秋山顧問:内容が悪いのか、伝え方が悪いのか、その辺りも当時はよく分からなかったのですが、せっかく3人で学んだことが生かせないままになってしまうことだけは避けたかった。そのためフォーバルの力を借りようと決めたのです。山本さんサポートのもと、もう一度理念から考えようということになりました。
山本:2018年の3月下旬、初めてヒアリングをさせていただいた際、秋山社長の想いがまだまだ理念に込められていないと感じました。そのため、理念に記載されている言葉について、より深く考えることが重要でした。より不変のものとなり、社員への伝わる度合いも変わると思ったからです。
例えば「共生」。とことん考えた結果、「社員との共生、お客様との共生、社会との共生」に辿り着きましたよね。このように、1つ1つの言葉に意味があり、より想いが込められた理念・ビジョンを、社員全員が見て分かりやすくさせるかを追及していきました。
株式会社フォーバル コンサルタント
山本 裕介
秋山社長:確かにそうですね。伝える側からしても聞く側からしても、これまで以上に分かりやすくなったと思います。
山本さんは、今の私たちに足りないことを躊躇することなく指摘してくださり、私たちの考えをより具体的なものにしてくださった。これは大きかったですね。
長谷川副社長:現場から見ても、目指す方向性は一致してきています。昨年行った発表会も、思っていた以上に好評でしたしね。
山本:ありがとうございます。今、長谷川副社長から話が出ましたが、発表会は改めての開催でしたよね。発表会についても振り返ってみていかがでしたでしょうか?
秋山社長:発表会については、現場から抵抗されるのではないかと不安でした。従来の会議よりも3時間以上も長いですし、これまでとは大きく内容も異なりますし。ましてや前回失敗していましたので。
しかし、フォーバルの方でいろいろと企画して、遊び心のあるワークを絡めつつ、さらに映像による理念・ビジョンの発信など、これまでの発表会とは違う変化を出してくださいました。抵抗なく終わることができて良かったなと思います。特に、メンバー自らがフォーバルの方と名刺交換している姿は新鮮でした。
長谷川副社長:異なる部門のメンバー同士で行ったグループワークも好評でした。
豊和は、全員一同で顔合わすことは月に1回のみ。その中で、ほとんど話したことない人たちも当然いるわけですので、新しいコミュニケーションができたことも良かったです。
山本:コミュニケーションという意味では、倉庫で働かれている方は特に喜ばれていましたよね。とても元気と言いますか、イキイキな表情が印象的です。
秋山顧問:そうですね、非常に有意義な時間になったと思います。
今までにない発表会が、参加者間の良い化学反応に
繋がったと振り返る
唱和、テスト、会議体見直し…日々の理念浸透活動で社員の行動が変化!
山本:改めての発表会のあと、理念を浸透してもらうためにさまざまな取り組みを行ってきました。約半年が経ちますが、振り返ってみていかがでしょうか?
秋山社長:山本さんの方で、定期的に理念・ビジョンに関するテストを実施する必要性を提案いただきました。フォーバルでも行っており、実際にそのテストも見せてもらい、とても納得できました。実際に定期的に実施していくなかで、テスト開始当初に比べますと確実に点数が良くなっています。
長谷川副社長:実際にあった話としまして、「企業理念は何ですか?」という問題を朝礼か会議で、川口の倉庫に勤務する社員にしたことがあります。そのときは言葉に詰まって回答できなかったのですが、その後、しばらくして同じ問題を出したら、完璧に答えることができたのです。どうしてできたのかと聞くと、倉庫の目につくところにプリントアウトした理念・ビジョンを貼って覚えたと言っていました。これには驚きましたね。
山本:それは嬉しいですね!
秋山顧問:その気にならなければ、壁に貼り付けるなんてことはしない。こちらから強制したわけでもないのに、素晴らしい。
秋山社長:とても偉い。こういうことは今までなかっただけに、確かにビックリです。
長谷川副社長:この一件があってなのか、以前と比べたら、確実に会議でも発言が増えました。それを見ている周りもいい刺激を受けているのか、全体的に話をするようになったと思います。
山本:最初はこちらから振らないとあまり発言しなかったですが、今はどんどん発言してくれます。「自信と自覚」が芽生えてきた証ですね。フォーバルでも、「自身と自覚」をとても大切にしております。これらがあるないで、動きが大きく変わるからです。そのため会議体見直しにおいても、いかにして参加者に主役意識を持ってもらうかを考えました。
理念を実行するのは社員
社員の変化で理念浸透はより加速化する
良いことも悪いことも指摘してくれることに、感謝
山本:ここにいらっしゃる皆様とも、この半年間いろいろな議論をしてきました。時には厳しく言うこともあったかとは思うのですが、正直ベースでどうだったかを教えてもらえればと。
秋山顧問:ついていくのに一生懸命でした。思うようについていけない自分にジレンマと言うか、今まで経験したことのない想いをしたのは事実。けど、それ以上に本当にありがとうございますという気持ちですね。年上年下関係ないですし、豊和のことを思ってのことであることは理解していますので。でも大変だったのが正直です。
山本:そうですよね(苦)。ただそのような大変ななかで、事業の方向性の1つにもある「業務効率改善」の一環として、働き方改革マスターの試験にも挑戦していただき、合格されたことは本当に素晴らしいです!
秋山顧問:山本さん自らも勉強して合格され、行動で示してくれた。自分も頑張らないとって思いましたよ。
山本:フォーバルでも、会長の大久保、社長の中島らが理念・ビジョンに向かって必死に頑張っている背中を見ていると、社員はもう拒否できないと言うか、やらざるを得ないと言うか、そういう気持ちになります。逆に上の人間が頑張らなければ、社員はやらなくなってしまうわけで。
秋山社長:厳しかったですが、それ以上の一生懸命さがあり、さらに、フォーバル自らの経験をもとに話をしてくれますので、とても納得できます。業務の見える化や営業の見える化など、やらなくてならないことが明確になりました。
長谷川副社長:あとは、決めたことに対して、最初は頑張るのですが、どうしてもいろいろな要因で中途半端になってしまいがち。さらに、同じ社内ですと指摘がしにくいという状況もあったのですが、山本さんは躊躇なく指摘をしてくれるので、そこは助かっています。
山本:そのように仰っていただけるとありがたいです。本音で向き合わなければ、お互いが納得して前に進められませんので。引き続きご理解いただきつつ、気になることがあれば、遠慮なくおっしゃってください。
厳しさのなかにも魂を感じる
大変以上に感謝だったと秋山顧問は笑顔で振り返る
未来の豊和を担う社員の育成をフォーバルと共に進めていきたい
山本:これからのフォーバルに期待することがございましたら教えてください。
秋山顧問:自分たちでは気付けないことがこれまでもありましたし、これからも出てくると思います。そこについては遠慮せずに、どんどん指導していただきたいです。特に人の育成については、多様なメンバーがいるなかで、いろいろなことがあるかと思いますので、そこは期待します。
長谷川副社長:人の育成という部分は顧問の秋山と同じですね。豊和には、幅広い年齢層の社員が働いています。年齢層によって最適な指導をしていただき、さらなる成長を促してくれるとありがたいですね。
秋山社長:私も同じです。会社を経営する以上、数字の部分ももちろん大切なのですが、未来を担う豊和の社員の育成に関する指導をいただければと思います。
山本:承知しました!連携プレーの質をいかにして高めていくかだと思います。引き続き宜しくお願いいたします。
東京本社前にて
編集後記
過去を遡っても、次世代経営塾に同じ会社でトップ3が同時に参加された前例はありません。経営陣全員で学びを受ける決断をされた秋山顧問、それにしっかりと応えた秋山社長と長谷川副社長、本気で変わるんだという想い、取材でのお話からとても伝わってきました。その想いに全力で応え続け、未来の豊和を創っていくお手伝いができればと思います。
実は長谷川副社長ですが、取材直前に足を怪我され、一時松葉づえを使わないと歩けない状態でした。取材も参加が心配されていたのですが、松葉づえを使わず、痛そうな表情を一切見せずに元気な姿でご参加いただきました。改めて御礼申し上げます。
(2019年4月取材時)