会社名
有限会社五島製作所
所在地
神奈川県川崎市宮前区平
設立
1974年(昭和49年)4月
事業内容
半導体製造装置(ステッパー)部品加工
通信機器(受送信部)部品加工
プリント基板外形加工・治具設計・その他精密加工全般
従業員数
5名
「恕の心でモノづくり」への飽く無き想い
マシニングセンターによる精密切削加工技術で、半導体・液晶製造装置(ステッパー)部品加工、 無線機器の部品加工、医療機器の部品加工を主な生産品目とするモノづくりを、得意とされている 有限会社五島製作所様(以下五島製作所)。私達が普段何気なく手に触れている製品の裏側で、五島製作所で作られた部品が使われているかもしれません。
創業40年以上、「お客様の困ったに応えたい」の一心で、これまで数々のモノづくりを行ってきました。 近年においては、スターリングエンジンによるバイオマス発電の開発や、宇宙太陽光発電システムの無線送電技術の地上実証試験にも挑戦されるなど活躍の範囲を広げられていらっしゃいます。
一方で、経営理念にも掲げられている「恕の心」と、現実とのギャップに悩まされ続けていたとのこと。そんな時に出会ったのが大久保秀夫、そして次世代経営塾でした。解消されない悩みに対してどのような思いを持って 立ち向かわれたのでしょうか?梶山貴司社長へお話しを伺いました。
次世代経営塾での学びで経営の価値観が「180度」変わった
フォーバル コンサルタント 丹羽 英史(以下 丹羽):梶山社長がコンサルティングを依頼すべきだと決断された最初のきっかけは、弊社会長の大久保秀夫の出版記念講演会だったと伺っています。実際に講演を聞かれた感想はいかがでしたか?
五島製作所 梶山 貴司社長(以下 梶山社長):いろいろありましたが、その一言一言に重みがあると言いますか、聞き手を引きつける力に、ただただ凄いなと思いました。そこで「888の法則」の話を初めて聞きましたが、一体どんなものなのだろうかと自然と興味が湧きましたね。
丹羽:確かに、大久保の側にいる私たちでさえも、そのパワーに圧倒されることが多々あります。初めてご覧になった梶山社長は相当だったのではないかと。
講演会の後、次世代経営塾への入塾を決断されたわけですが、「888の法則」への興味が一番の理由だったのでしょうか?
梶山社長:そうですね。確かにそれもあったのですが、 私自身が外部の経営塾で学んだことがありませんでして実は決断するまでに相当迷っていたのです。
一方で、当時は私なりにしっかりやっているつもりでも思うように経営が進まない状態が続いていました。この状況を打破するには、私は二代目になりますが、一代で成功を収められた大久保会長の教えを受ける必要があると思ったのです。
有限会社五島製作所 代表取締役
梶山 貴司社長
丹羽:梶山社長のなかでひとつの大きな大きなご決断をされたのですね。 実際に次世代経営塾を受講されていかがでしたか?
梶山社長:率直に大変勉強になりました。特に「社会性→独自性→経済性」の順番の重要さ、経済性に重きを置き過ぎると、他人に迷惑が掛かってしまうことも少なくない。これまで自分は経済性に重きが置かれていた感がありましたので、目から鱗でした。
単に学ぶだけでは意味がない。実践するためのコンサルに迷いはなかった
梶山社長:卒業後、せっかく学んだことを自分達の経営に活かさなくてはならないという気持ちが高まる一方で、 これまで、いろいろ学んでも途中で挫折してしまうという苦い経験もありました。
塾生OBでコンサルを受けていらっしゃった方からも「悩んでいるなら受けた方が良い」との話も聞いていたので、学びを実践に移すためのコンサルに迷いはありませんでした。
丹羽:大久保もよく「まず動け、道はそこから拓かれる」と話していますが、まさに梶山社長はその言葉に基づいた行動をされたと言えますね。実際、私たちのコンサル支援を受けてもうすぐ2年が経ちますが、開始の頃から振返ってみていかがでしょうか?
株式会社フォーバル
コンサルタント 丹羽 英史
梶山社長:現状を見つめなおし、目標(在るべき姿)を決めて、そのギャップをどう埋めていくか。数ある課題に優先順位をつけて一極集中で取り組んでいくという進め方はこれまでの私の経営で考えたこともなかったですし、私たちのペースに合わせて的確に指導・ 誘導してくださる点は大変助けられています。
丹羽:実際数ある課題の中で、最優先に取り組んできた事項については、梶山社長をはじめ 現場の皆様のご協力もあり、良い方向へ進んできていると思います。
梶山社長:そうですね、特に私のなかで課題意識が強かったキャッシュフローに関してはこの1年間のコンサルのおかげで改善されてきています。これまでは外部環境のせいにしていたのですが、単純にやり方が間違っていたのだと今となっては反省です(苦笑)。
現場の声も聞き、現場と共に歩むということ
丹羽:計画立案から実行に移すうえでは、現場の皆様の共感・共鳴が欠かせません。実際、数名の方には個人面談等を通じてコミュニケーションを取るようにしつつ計画の意図に納得してもらうよう努めてまいりました。こちらについても何か変化はございましたか?
梶山社長:これまでは社長と現場に見えない線と言いますが、溝みたいなものがあり一緒に働いていながら孤独感に近いものを感じていました。
しかし、丹羽さんがその溝をふさいでくれるための努力をしてくださいました。そのお陰で以前と比べれば溝はかなり浅くなっていると思います。これも私だけではどうにもならなかったことですからとても感謝しています。
丹羽:ありがとうございます。 実際現場の方と面談をしていると、向こうから「ここはこうしたらどうか?」等の 提案がでてくるんですよね。とても難しいことができている。1人1人が自発的に業務をより良くしていこうという思いを感じますし、素晴らしいことだと思います。
現場を巻き込ませる必要性の高さを梶山社長は振り返る
「恕の心」の追求のまだ道半ば、これからもフォーバルと共に歩み続ける
丹羽:先ほど梶山社長もおっしゃってましたが、まだ目指すべき姿に対して取り組むべきことはございます。そう言った意味ではまだ道半ば。ひとつひとつを確実にクリアしていき、成功体験を積み重ねていければと思います。今後に向けて何か目指していきたいことはございますか?
梶山社長:一言で「自立走行=自走式」ですね。フォーバルさんの考えを見習い理念・共通テーマに基づいて、さらに現場の仲間たちが自分で考えて 行動をすることができたら良いことかなと。
丹羽:あとは、以前梶山社長と話したなかで、働かれている方々が「自分達のやっていることは間違っていなかった、五島製作所で働けて良かった」と思ってもらえることも必要です。そう思ってもらうための仕掛けを行っていきたいですね。もちろん優先順位を付けながら。
梶山社長:そうですね、私たちは物事を客観的に見ることがまだまだできていないので、今後も引き続き、アドバイスをいただきながら、「恕の心」を追求していきたいと思っています。引き続き宜しくお願いいたします。
丹羽:こちらこそ、また新たなテーマを掲げて、達成に向けて二人三脚で頑張っていきましょう。本日はどうもありがとうございました。
梶山社長の座右の銘でもあり
経営理念にも書かれている「恕」の壁掛けと一緒に
編集後記
「恕の心」への想いが大変お強い梶山社長、そして本当に情に厚い方でした。
正直な話、梶山社長と出会うまで「恕」を読むことすらできなかったのですが、聞けば聞くほど、調べれば調べるほど奥が深く、とても素晴らしい言葉。今は私にとりましても好きな言葉の1つになりました。
梶山社長は学生時代柔道一筋で、誰もが知る有名選手とも戦ったことがあるそうです。 丹羽も学生時代はサッカー一筋、天皇杯に出場してJリーガーとも戦った経験があります。 ジャンルは違いますが、スポーツの世界で夢に向かって努力し続けてきた者同士だからこそ分かり合えるものがある気がしました。
これからも「チーム五島」の一員として、未来を共に創っていくお手伝いができればと思います。
(2017年4月取材時)