フォーバル調査では、社員の労働時間管理を「していない」と回答した企業が144社あった(1034社中・13.9%、図2−7参照)。
この回答をした経営者に対し、さらに「正しく管理できていない理由」を聞いた。すると、最も多い回答が「なあなあになってしまっている」で、144社中53社に上った。次いで「どのように管理したらよいのかわからない」の30社、「管理を任せられる人がいない」が21社と続く。「管理をするメリットがわからない」「コストをかけたくない」にも20社弱の回答がみられた。
少ない人員で対応することが困難な場合や、これまでの慣習により管理を怠っている場合など、管理ができない理由は異なっても、今後はその対応が厳しく問われることも想定しておかねばならないだろう。
労働基準法では、使用者は、労働時間を適切に管理する責務を有している、とされている。そして今後、働き方改革関連法の施行により、これまで以上に労働時間を厳しく管理することが求められることになる。
適切な労働時間管理は働きやすい環境の整備にもつながり、人材流出を防ぐ手段にもなると考えられている。昨今は勤怠管理システムが普及していることから、自社の業務内容や職場環境に合わせて、省力化投資として効率的な手段の導入を進めることなどを通し、対応していかざるを得ないであろう。
ブルーレポートの発行者
株式会社フォーバル ブルーレポート制作チーム
フォーバルは1980年に創業以来、一貫して中小企業と向かい合い、現在20,000社以上にサービスを提供している。フォーバル創業者の大久保秀夫は東京商工会議所副会頭、中小企業委員会委員長としても活動。今後フォーバルが誰よりも中小企業のことを知っている存在を目指し、良いことも悪いことも含め、現場で中小企業の生の声を集め、実態を把握。そのうえで関係各所へ提言することを目的に、プロジェクトを発足。