外国人を将来的に雇用しようと考える企業がほかの選択肢より多かった背景には、人手不足の中、採用活動をしても人材が集まりにくい状況を背景とした中小企業の切迫感の表れである可能性がある。
以下の結果は、将来的な雇用意思について「人手が足りている」企業と「足りていない」企業にわけて質問した結果を示したものである。
これによると、人手不足か否かで回答の割合が唯一変化したのは、約11ポイントの差がついた「外国人」のみであった。ほかの人材は人手不足かどうかで将来的な雇用意思に大きな変化はなかった。人手不足である企業のほうが外国人労働者の雇用を検討する割合が多いのは、推測ではあるが、現状ではほかの人材では雇用が進まず、外国人労働者に期待する気持ちが大きいためではないだろうか。
外国人労働者を受け入れることになった場合、技術支援はもちろんのこと、日本語や社会生活に関わる支援など、企業側にも新たな負担が発生する可能性がある。それでも外国人労働者を受け入れる意思を持つには、それだけの切迫感があるのではないかと推察できるのである。
現在、政府はこれらの注目人材の活用拡大に向けて様々な支援策を検討しているが、短い国会審議の結果、2019年4月から始まってしまった外国人労働者受け入れ拡大の施策については、より丁寧な企業向けの支援も求められるだろう。
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株式会社フォーバル ブルーレポート制作チーム
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