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国際的なデータ流通における日本の立ち位置

経済発展と持続可能な社会の実現には国際的なデータ流通が大切であると、安部首相は提言しています。

提言内容には同意ですが、現実的に日本が先陣を切っていくのは困難でしょう。アメリカを中心とした先進国が先陣を切っていくと思われます。

2019年1月23日、安倍首相は、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で演説し、個人や企業のデータ管理など「データ・ガバナンス」について国際的なルールづくりを議論する枠組みの創設を呼び掛けました。

“私は本年のG20サミットを、世界的なデータ・ガバナンスが始まった機会として、長く記憶される場といたしたく思います。データ・ガバナンスに焦点を当てて議論するトラック、「大阪トラック」とでも名付けて、この話し合いを、WTOの屋根のもと始めようではありませんか。我々自身の個人的データですとか、知的財産を体現したり、国家安全保障上の機密を含んでいたりするデータですとかは慎重な保護のもとに置かれるべきです。しかしその一方、医療や産業、交通やその他最も有益な非個人的で匿名のデータは、自由に行き来させ、国境など意識しないようにさせなくてはなりません。そこで私たちがつくり上げるべき体制は、DFFT(データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト)のためのものです。” (※1)

第23回未来投資会議(H31.2.13)経済産業大臣提出資料
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai23/siryou7.pdf

安倍首相は演説の中で「成長のエンジンはもはやガソリンではなく、デジタル・データで回っている」と述べ、データ流通の重要性を訴えました。

今後、世界が物質的なモノが飽和する中で、データは、「現代の石油」や「ネクストオイル」と呼ばれ、その活用が、持続的、永続的な世界を築く鍵となるとの認識も広がっています。

ダボス会議では、その際のデータ活用のルールについて多くの議論があったといいます。典型的なものとして、マイクロソフトのナデラCEOは、「データ保護は人権であって、適切な規制が大前提」との立場を示しました。一方、Alibabaのジャック・マー会長は、「デジタル技術はまだ発展途上であり、規制先行は望ましくない」という立場です。

そんな中で、安倍首相は、「安心できる保護環境のもとでの国際的なデータ流通が、経済発展と持続可能な社会へつながる」という立場を示しました。

このように、立ち位置の違うデータ大国が並列して存在する今の世界において、まずは2019年6月の20カ国・地域(G20)首脳会議でデータ流通のあり方を議論し、ルールづくりにつなげようとしています。

中国では国家を挙げて個人情報を管理しています。こうした国家管理の手法には、日米欧は懐疑的で認めない構えを見せており、今後の議論の焦点にもなりうるでしょう。

また、米国と欧州でも考え方の方向性は大きく違います。米国は民間企業先導型で、データの国外漏洩のリスク回避に重点を置いており、欧州は、プライバシーに関して最も厳格なルールをもっています。

民族対立や宗教対立から個人を守る発想が強く、第一次世界大戦時の情報流出が、ユダヤ人の迫害につながったといわれている過去の教訓を踏まえ、データローカライゼーション志向が強いようです。

 データ流通をめぐる国際的立ち位置

このように、風土、国民性、文化の違いから、データ流通に関する考え方も取組みも異なる異国間で共通のルールを創りあげることは、容易ではないでしょう。

それでも、「安心できる保護環境のもとでの国際的なデータ流通が、経済発展と持続可能な社会へつながる」という安倍首相の提言のもと、我が国は、データ活用、データ流通によってよりよい世界をつくるための第一歩を踏み出しつつあります。

ブルーレポートの発行者

株式会社フォーバル ブルーレポート制作チーム

フォーバルは1980年に創業以来、一貫して中小企業と向かい合い、現在20,000社以上にサービスを提供している。フォーバル創業者の大久保秀夫は東京商工会議所副会頭、中小企業委員会委員長としても活動。今後フォーバルが誰よりも中小企業のことを知っている存在を目指し、良いことも悪いことも含め、現場で中小企業の生の声を集め、実態を把握。そのうえで関係各所へ提言することを目的に、プロジェクトを発足。

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