Society5.0の認知度について

フォーバルの第1回調査では、この「Society5.0」について中小企業の経営者の認知度を聞いた。

最も多かったのは「知らない」の749社(1445 社中・51.8%)。「あまり知らない」の496社を合わせると86.2%の経営者が知らないとの結果であった。

「Society5.0」という言葉自体は、政府が発表する資料や、最近では首相の所信表明でも使われているものの、中小企業経営者にはあまり浸透していないことがわかる。

政府の発信するSociety5.0(超スマート社会)の内容について

認知度が低い状況ではあるが、同時に聞いた取組み状況では、「取り組んでいない」が1344社で92.6%に及ぶ状況であった(1452社中)。

政府の発信するSociety5.0(超スマート社会)への対応について

続けて、この「既に取り組んでいる」と回答した17 社、「取り組みを計画中である」と回答した91社の合計108社に対し、取り組みの具体的なテーマについても聞いている。

最も多かった回答は「ビッグデータ」と回答した41 社、次いで「人工知能」の37 社、「IoT」の35社と続いた。

ちなみに、「その他」に入っていた回答には、「i-construction(生産性向上に向けた建設現場へのIoT導入)」「ドローン技術活用」などがみられた。

政府の発信するSociety5.0(超スマート社会)への対応について取り組んでいる(ま たは計画中の)テーマはどのようなことですか?(複数回答)

続けて、このSociety5.0 が目指す社会は「超スマート社会」ともいわれているが、情報セキュリティ対策はどのように進めているのかを問う質問も実施した。

最も多かったのが「対策していない」の911社(1436社中・63.4%)で、3社に2社は対策をしていないとの結果が出た。「対策済み」と答えた経営者は269社(同・18.7%)であった。

情報セキュリティについては今後ますますスマート化が進む中で、少しでも早く対応をすることが求められるだろう。

Society5.0(超スマート社会)に向けての情報セキュリティ対策状況について

同様に、このSociety5.0に対応する人材がいるかを聞くと、1236 社(1438 社中・86.0%)が「人材がいない」と回答した。

対応する人材については、「いる」と回答した79社(同・5.5%)、また一部人材はいるが不足しているため人材を育成中だと回答した108 社を合わせても187 社(同・13.0%)であった。

対応人材の不足も今後の大きな課題であると考えられる。

Society5.0(超スマート社会)に向けての対応人材について

このように、社会は第4次産業革命、Society5.0、超スマート社会などの単語が飛び交っていても、日本経済を根底から支える中小企業にはまだまだこの言葉の認知や理解、また具体的な対応などは進んでいないことがわかる。

しかし、社会は確実に変化し、それに向けた対応も必須であることは間違いない。

ブルーレポートの発行者

株式会社フォーバル ブルーレポート制作チーム

フォーバルは1980年に創業以来、一貫して中小企業と向かい合い、現在20,000社以上にサービスを提供している。フォーバル創業者の大久保秀夫は東京商工会議所副会頭、中小企業委員会委員長としても活動。今後フォーバルが誰よりも中小企業のことを知っている存在を目指し、良いことも悪いことも含め、現場で中小企業の生の声を集め、実態を把握。そのうえで関係各所へ提言することを目的に、プロジェクトを発足。

タイトルとURLをコピーしました