近代社会は技術革新を積み重ねて現在に至っている。18世紀後半の第1次産業革命では、それまで手工業が中心であった産業に石炭や水力、蒸気による機械化が導入され、効率化が一気に進んだ。紡績業が拡大し、蒸気機関が開発され、鉄道普及のきっかけともなった。大量生産が可能になったことにより、農漁業中心の社会から工業化がさらに進むことになった。
次いで訪れた第2次産業革命では、石油や電力などの動力源の開発が進み、軽工業から重工業へ
の転換がなされた。鉄鋼・機械・造船・化学などの分野が発展し、工業生産は飛躍的に拡大した。
その後、大きな戦争を経験した日本が敗戦から立ち上がり、高度経済成長期になると第3次産業
革命ともいわれる転換期を迎えることになる。情報技術や電子工学、原子力技術などが挙げられ
るが、やはりコンピューター技術の登場・発展がその最たるものであろう。今でこそパソコンを
活用するのは当たり前の社会になったが、我々の生活に身近になったのは、20世紀の終わりころの話である。
これらは産業の発展に即してこれまでの流れを整理したものであり、それを社会を軸に整理する
のが「Society」の概念である。
狩猟社会の「Society1.0」、農耕社会を表す「Society2.0」に続き、これまで述べてきた工業化により成し遂げられた工業社会を「Society3.0」と称するようになる。さらに、第3次産業革命による情報技術の発展、コンピューターが普及した社会を「Society4.0」とし、情報社会と呼ばれるようになった。
そして今、我々は「第4次産業革命」の真っただ中にいると言われている。
第3次産業革命で成し遂げられた情報技術の進展は、その後さらに発展を続け、現在ではさらに
その先、AIやIoT、ビッグデータなどを活用する技術革命の時期に入っているとの指摘がみられ
るようになった。それがいわゆる「第4次産業革命」であり、それによりもたらされる未来の社
会が超スマート社会、すなわち「Society5.0」である。
ブルーレポートの発行者
株式会社フォーバル ブルーレポート制作チーム
フォーバルは1980年に創業以来、一貫して中小企業と向かい合い、現在20,000社以上にサービスを提供している。フォーバル創業者の大久保秀夫は東京商工会議所副会頭、中小企業委員会委員長としても活動。今後フォーバルが誰よりも中小企業のことを知っている存在を目指し、良いことも悪いことも含め、現場で中小企業の生の声を集め、実態を把握。そのうえで関係各所へ提言することを目的に、プロジェクトを発足。