現在社員教育に取り組んでいる637社に対し、さらに「今後、社員教育で取組んでみたいこと」の有無について聞いた。
「ある」と回答した企業は427社、67.0%に及んだ。その427 社に対し今度は「取り組みたい内容は何か」と聞くと、トップになったのは「技術・専門スキル」との結果になった(複数回答/427社中、183社が選択)。
OJTが高スコアであったことにも通じるが、中小企業では「技術・専門スキル」の向上を期待する経営者の意識が伝わってくる。
また、次いで高かったのは「社員の意識改革」である。
この意識とは、大きな意味でいえば「仕事への向き合い方」だと考えられる。従来からの慣習にとらわれず、いかに効率的に仕事をしていくべきかを自分自身の意識として持つことができるか。
順位では2位につけていることからも、従業員の意識改革に経営者の多くが関心を抱いていることが示されている。
また、「その他」を除いた8つの選択肢は、大きく4つのカテゴリーに分けられる。すなわち、以下のような分類である。
・「幹部育成」「マネジメントスキル」:経営管理
・「新人教育」:新人教育
・「セールス・営業」「技術・専門スキル」:業務スキル
・「コミュニケーション能力」「コンプライアンス」「社員の意識改革」:意識や行動
今後取組んでみたい社員教育を聞くこの調査結果からは、新人教育のスコアがやや低いものの、どの項目も平均的に求められていることがわかる。
どれかが抜きんでることはなく、どの選択肢も必要な項目であり、それぞれに取り組むことが企業の総合的な力に発展するのだと考えられているのだろう。
ブルーレポートの発行者
株式会社フォーバル ブルーレポート制作チーム
フォーバルは1980年に創業以来、一貫して中小企業と向かい合い、現在20,000社以上にサービスを提供している。フォーバル創業者の大久保秀夫は東京商工会議所副会頭、中小企業委員会委員長としても活動。今後フォーバルが誰よりも中小企業のことを知っている存在を目指し、良いことも悪いことも含め、現場で中小企業の生の声を集め、実態を把握。そのうえで関係各所へ提言することを目的に、プロジェクトを発足。