経営者がまず考えるべきこと

経営者がまず考えるべきこと

このように、働き方改革改正法の成立に伴い、2019年度から一部の制度から導入が進められることになった。これまで対応してきた制度については、その再確認程度でよいかもしれないが、新たに始めるものがあれば、導入が始まる今だからこそ自社の状況を把握し、見直し、取り入れていく姿勢が重要になるだろう。

その際にまず始めるべきことはこうした働き方改革への認知、理解を深めることである(1)。そして同時に、具体的に対応するにはどうすればよいのかを考え、実行していくことが求められる(2)。

1:まず知り、理解を深める
ここまで述べてきたように、働き方改革関連法は複数の法律にまたがって改正が行われるため、すべてを把握しようと思うと大変だが、ポイントを絞った上で内容を知り、理解を進めることが重要である。

また、「知り、理解を深める」際にもう一つ重要な観点が「自社について知り、理解を深める」ことである。現状を正しく把握しなければ、その後の対応もできない。自社の業務がどのくらいのボリュームで、何人くらいが働いていて、それによりどのような利益を生み出しているのか。

また職場として自社を客観的にみたとき、これまで述べてきたような視点での課題があるかどうかを洗い出す必要があるだろう。

2:具体的な対応策を考える
その上で、自社にとってどの制度を採り入れなければならないかを考え、具体的に導入するにはどうすればよいのかを考える必要があるだろう。

これまでの慣習を変えるのは大きなストレスが伴う場合もあるが、それでも今変わることで大きな効果を生み出すこともあるだろう。

働き方改革に向けた取組みはすでに動き始めている。それに取り残されないよう、何が課題なのか、どうすれば改善できるのか、今こそ積極的に実施していくことが求められる。社員が定着し、かつ多様な人材から選ばれる職場づくりへ歩みを進めるときだ。

ブルーレポートの発行者

株式会社フォーバル ブルーレポート制作チーム

フォーバルは1980年に創業以来、一貫して中小企業と向かい合い、現在20,000社以上にサービスを提供している。フォーバル創業者の大久保秀夫は東京商工会議所副会頭、中小企業委員会委員長としても活動。今後フォーバルが誰よりも中小企業のことを知っている存在を目指し、良いことも悪いことも含め、現場で中小企業の生の声を集め、実態を把握。そのうえで関係各所へ提言することを目的に、プロジェクトを発足。

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