会社名

株式会社 ナガヨ

所在地

東京都台東区松が谷

創業/設立

1965年(昭和40年)3月/1972年(昭和47年)4月

事業内容

業務用厨房道具類・卓上用品類・各種消耗品類の卸販売
パーティ用食器類・卓上用品類のレンタル
オリジナル装飾食器の開発及び販売
陶器・ステンレス製品の再生事業
無鉛グラス、陶器の輸入・販売

従業員数

37人(2016年1月)

創業50年、業務用食器の販売・レンタル専門会社が、新たなる決意を胸に挑む

昭和40年に創業以来、業務用食器の販売・レンタルを通じて、数多くのホテル・レストラン・ケータリング会社様から高い支持を獲得し続けている株式会社ナガヨ様(以下ナガヨ)。 レンタルにおいては、業界のパイオニア的存在です。

タンブラー・取皿・フォークなど数量を必要とする商品アイテムを多数所有し、最大30,000名クラスのパーティ受注を可能としています。また、洋食・和食・中華…それぞれの料理をより一層豪華に演出するオリジナル食器、VIP用高級食器や温蔵庫も取りそろえるなど、多様なニーズに応え続けてきました。

創業50年を経た現在も、業務用食器の販売・レンタルの先頭を走り続けるナガヨが、今回策定した企業理念「我々は、時代の半歩先を行き、わが社と関係のあるお取引先様から、信用され、感謝される企業人でありたい」。そこには捧英世(ささげひでよ)社長のさまざまな思いが集約されています。経営理念策定に至った経緯、また策定してからの変化はどうか?直接話をお伺いしました。

経営理念の必要性に気付き、自分の力で悩んで…そして考え抜いた

フォーバル チーフコンサルタント 小林 直紀(以下小林):私が担当となってから約1年半が過ぎました。これまで事業計画策定、3ヵ年計画、そして経営計画発表会の実施…そして現在はアクションプランの運用支援を進めています。

事業計画策定にあたっては、新たな経営理念を決めることが重要であるとお話ししましたが、当時を振り返ってみていかがでしたでしょうか?

ナガヨ 捧 英世社長(以下捧社長):正直な話、最初は困りましたよね(苦笑)。

しかし、小林さんと話を重ねていくに連れて、経営理念の確立を決断することができました。挑戦することは大切ですし。たくさん悩んで…私なりに考え抜けたと思います。

株式会社ナガヨ 代表取締役 
捧 英世 様

小林:そのようにおっしゃっていただけると大変ありがたいです。捧社長が自らの力で考え抜かれた経営理念について、もう少し詳しく聞かせてください。

経営理念「我々は、時代の半歩先を行き、わが社と関係のあるお取引先様から、信用され、感謝される企業人でありたい」の中で、まず「半歩先」というのはどのような意味があるのでしょうか?

捧社長:先代から、5年10年先の常識を取り入れようとして思うようにいかなかったことがあったという話を聞いていたからです。

もちろん、いつまでも同じことを繰り返しているだけではいけませんから、新たな挑戦はこれからも続けていかなくてはと思っていますが、一方で先進的過ぎてもいけない=タイミングも、過去の経験から大切だなと痛感しました。

飲食業界は変化がそれほど激しくないので、一歩先では先過ぎるかなと思って、それで半歩先としました。

小林:過去の成功体験から脱却できないところも多い中で、常に前を向き続ける姿勢はとても共感できます。

話を聞いていて感じたのですが、食器をレンタルするという取り組みもかなり先進的だったのではないかなと。こちらは、なぜ今日まで続けることができたのですか?

株式会社フォーバル チーフコンサルタント 
小林 直紀

捧社長:先代の話では、未来の可能性を信じて地道に取り組み続けたこと、同業の増加=業界全体の底上げが大きかったようですね。

当時は貸し食器という名称で事業を始めたのですが、「なぜ、人の使った食器を使わなくてはならないのか?」と言われたりする等、なかなか理解を得ることができず苦労したのだとか。いつ貸し食器を終わらせてもおかしくない状況でした

一方で、他の分野(貸し布団等)は順調だった点を踏まえ、貸し食器もいつか必ず認められる時期が来るはずだと、先代が諦めなかったことが今につながっているのだと思います。

どこでも必要とされ、通用するスキルを身に付けてほしい

小林:経営理念のなかで、「お取引先様から、信用され、感謝され」という言葉がございますが、こちらはどのような思いが込められているのでしょうか?

捧社長:「お客様は神様」「お客様が第一」という言葉を良く聞きますよね。確かにその通りなのですが、弊社にとりましては、お客様だけではなく、仕入れ先からも信用され感謝されなくてはなりません。

販売にもレンタルにも、両方に言えることです。だから、お取引先様としました。

小林:あと、お伺いしたいのが「企業人」です。「社員」等を使われるケースが多いなかで、あえて企業人としたのはどのような意図があるのでしょうか?

捧社長:どこへ行っても働くことができる人になってほしいという想いを「企業人」に込めました。例えば、言われたことだけをただ淡々とこなしているのではなく、自らが進んで動くことができる能力はどこでも活きると思うので/p>

せっかくのご縁で一緒に働くことができた仲間ですからね、一生のスキルを身に付けてほしいですから。ITの力で効率化できるなら積極的に投資をしますし、そのために必要な仕組みはいろいろと構築していきます。

小林:計画立案を進めている時も、捧社長は自らが進んで動くことをとても重んじていらっしゃるなと感じました。同時に社員がどうすれば働きやすくなるのか、輝けるのかを模索されていらっしゃる。まさに縁の下の力持ちですね。

企業人への想い
捧社長の言葉には芯がある

理念・ビジョンに向けての階段を少しずつ登り始めている

小林​:経営理念を策定後、事業計画策定、3カ年計画、そして経営計画発表会を実施しました。こちらも振返ってみていかがでしょうか?

捧社長:フォーバル(小林さん)のコンサルティングは、絶妙なカタチ・タイミングで管理してくれますし、私たち目線になってくれながらも、時に、クールな見た目に反してズバっと切り込んでくれたことも印象的です。自分だけでは気付けなかったことが得られています。

計画立案もうまくエスコートしてくれました。経営理念に向けたビジョンを通じて、私の想いがカタチとなりましたし、発表会を通じて現場へ伝えることができたのではないかと思います。

小林:こちらこそ、共に歩み続けてくれた捧社長に感謝です。現場社員を交えた会議の場に同席してのアクションプランの運用支援についてはいかがでしょうか?

捧社長:常に理念・ビジョンに基づいた進行をしてくれています。指摘も的確ですし。

全ての取組は理念・ビジョンにつながっているのだということが、徐々にですが、参加者にも浸透してきたからなのか、メンバーによって行動に変化が表れ始めたことが大きいかなと思います。

小林:つい先日も、会議の参加者から個別で相談をいただきました。

内容も、自分自身のことではなく新入社員の育成がテーマです。日頃の業務が忙しいので、あえて負荷をかけずに、これまでのやり方を継続することもできたわけですが、「新人がどうすれば成長できるのか?」を本気で悩んだ結果の相談でした。非常に前向きな相談で、捧社長が考える「自分で考えて行動する社員」のひとつの表れだと思います。

個人的には、自発的に相談をしてくれたことがとても嬉しかったです。

現場社員の目線は
スクリーンボードの先にある

これからも互いに無いものを補完し合って歩んでいきたい

小林:今後のフォーバルに期待することはございますでしょうか?

捧社長:道程を歩んでいく中で、これまでもそうでしたし、これからも自分たちの力だけでは対応が難しいことが出てくるでしょう。

そんな時には、第三者視点での指摘や発想、気づきが非常に重要になると思います。そこをフォーバルに補完してもらいながら、これからも進めていければなと考えています。

小林:承知しました、こちらこそ引き続き宜しくお願いいたします。

エントランス前にて

編集後記

小林が担当する前、編集者が別のテーマで約2年半担当していました。それだけに特別な思いのあるお客様だったのですが、当時決めた施策を今も実施し続けてくれていたこと、さらにその施策を通じてお客様からの問い合わせにつながっているという話を聞いた時は本当に嬉しかったですね。

さらに、捧社長は私が以前勤めていた飲料メーカーのことも覚えてくれており、今もその商品を愛用いただいていることを知った時に、情の深さを感じました。

多くの二代目社長からよく聞く苦悩のひとつとして、「先代が残してきた功績による重圧」があります。それについても捧社長に聞いてみました。捧社長は、「気にし過ぎないことだよ」とサラッと言い切りました。シンプルでありながらもものすごく深い言葉ですし、強い芯をお持ちでいらっしゃる印象を受けました。

そんな捧社長らしさが集約された経営理念。その実現に向けて、これからも共に歩んでいくためのお手伝いができればと思います。
(2017年7月取材時)